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プログラム

日程表

日程表 2月3日(土)  日程表 2月4日(日)

プログラム

テーマ
変革の時代に求められるがん看護
くらしを支え尊厳をまもるための看護を問い直す
会長講演
「変革の時代に求められるがん看護
 -くらしを支え尊厳をまもるための看護を問い直す-」
演  者 茅野 香子(千葉県がんセンター)
座  長 雄西 智恵美(日本がん看護学会 理事長、徳島大学大学院)
日  時 2月3日(土)8:45~9:30
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  がんは国民病とも言われるように2人に1人が罹患する時代になった。しかし、がんに罹患した後も患者や家族の生活が止まるわけではなく、治療を継続しながら社会に復帰する人や地域で緩和ケアを受けながら療養している人が多数存在する。人々の価値観が多様化する今日、がんの治療方法や療養場所の選択肢が増え、多くの患者がその恩恵を得る事ができた一方で、その選択に困惑する患者もいる。がん医療の進歩は、看護もそれに対応するための変化が求められる。しかし、どんな時代においても看護は患者と家族が、がんを抱えても自分らしく生きることができるように、彼らの考えや価値観を尊重しくらしを支えるという役割がある。今回の学術集会では、がん患者とその家族の意向を汲み取り、彼らの尊厳をまもりその人らしい生活をどのように支えることができるのかという、看護の原点を今一度、問い直し、更に多職種連携のなかで、その人らしい生活を支えるために看護はどのように役割を発揮するのか。現状の問題と課題を提示し考える機会としたい。
特別講演
特別講演1
「がんと共に生きる患者と家族のDignity
 -未来を拓くがん看護の原点回帰-」
講  師 佐藤 禮子(東京通信大学設立準備室)
座  長 茅野 香子(千葉県がんセンター)
日  時 2月3日(土)9:30~10:30
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  がん看護において、患者と家族の尊厳Dignityを再考し、未来を拓くがん看護への展望を改めて考える機会としたい。そもそも人間の尊厳Dignityとは何であろうか。国内外のがん看護学に精通する佐藤禮子先生に、まず、基盤となる概念について、学術的な動向をふまえ概説いただく。さらに、がんと共に生きる患者とその家族が、“尊厳を保ち、暮らす”ことを実現するための教育、研究、看護実践の実状と課題から、未来のがん看護の発展に向けた展望についてご講演いただく。本講演は、がん看護の将来を担う教育・研究・実践者が、がんと共に暮らす患者と家族のDignityを保つための地域・社会システムの在り方にも思考を巡らせ、その実現に向けた将来展望を描く示唆を得る機会になると考える。
特別講演2
「最新のがん医療の動向を知りこれからのがん看護を考える
 -第3期がん対策推進基本計画の概要-」
講  師 秋山 正子(NPO法人 マギーズ東京)
座  長 渡邉 眞理(神奈川県立保健福祉大学)
日  時 2月4日(日)9:00~10:00
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  第2期までのがん対策推進基本計画においては、「がんによる死亡者の減少」、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が目標として掲げられてきた。
 2017年に第3期がん対策推進基本計画が策定された。看護職者が、がんを抱えて暮らす人を支援していくためには、その人自身や地域のことはもちろん、その背景として国の方針、動向を知ることは重要であるが、その詳細に触れる機会は少ない。
 国のがん対策推進基本計画が目指すビジョン、そして、前基本計画の見直しの意図やポイントを概説していただき、今後のがん看護の発展、向上のために、看護職者として何ができるのか、何をすべきなのか、広い視野から考える機会としたい。
教育講演
教育講演1
「がん免疫療法の現状と課題
 -がん免疫のメカニズムと免疫チェックポイント阻害薬-」
講  師 中面 哲也(国立がん研究センター)
座  長 山田 みつぎ(千葉県がんセンター)
日  時 2月3日(土)10:00~11:00
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  がんの治療法において、免疫細胞を活性化するがん免疫療法が確立してきた。免疫療法は、手術療法、化学療法、放射線治療に引き続き、第4の治療法として着目されている。がん免疫療法には、免疫賦活系の免疫療法、サイトカイン療法、LAK療法、樹状細胞ワクチン療法がある。
 近年、これまでの免疫療法とは異なる概念である“免疫チェックポイント阻害薬”が開発され、免疫療法に新しい時代が到来した。人の免疫システムと、がんの免疫システムに関する基礎知識や免疫治療の基本的な作用を知り、殺細胞性抗がん薬との違いを理解することは、がん薬物療法に関わる看護の視点として極めて重要である。その上で、看護師は患者の意思決定支援を行う必要がある。
 本講演では、免疫チェックポイント阻害薬の開発によって何が期待できるのか、そして、免疫療法の選択基準や対象、投与管理、起こりうる多様な有害事象マネジメントなどの最新知見を得ることで、免疫チェックポイント阻害薬による治療を受ける患者のケアやアドヒアランスの判断、多職種連携における看護の役割について考える機会としたい。
教育講演2
「プレシジョンメディシン
 -遺伝子情報を活用した個別化がん治療-」
講  師 大津 敦(国立がん研究センター東病院)
座  長 石岡 明子(北海道大学病院)
日  時 2月3日(土)11:10~12:10
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  第3次対がん10か年総合戦略の構築に向け、がん遺伝子情報の解析をもとに分子生物学が進歩し、遺伝子やたんぱく質の構造、機能の解明が進み、細胞特有の分子が解明されてきた。がん細胞の遺伝子解析を行い、遺伝子変異に対する分子標的薬を使う個別化医療が日本でも始まっている。がんの部位別の治療ではなく、遺伝子情報に基づき治療薬を選択する治療であり、遺伝子情報から予め効果が期待されるがん治療として注目されている。遺伝子情報が解析された後、そして、将来に向けて、患者および家族に与える影響など踏まえ、患者や家族の思いをくみ、関わる看護が求められる。また、治療の選択肢が増える一方で、遺伝子検査が高額であることや、適合しない薬もあるなどの問題も有している。新たな治療の考え方と今後の課題を知ることで、遺伝子情報を活用したがん医療に関わる看護師に求められる役割と課題について新たな知見を得る機会としたい。
教育講演3
「若年がん患者のがん治療と妊孕性温存に向けた取り組み
 -がん生殖医療の行方-」
講  師 渡邊 知映(上智大学 総合人間科学部 看護学科)
座  長 阿部 恭子(千葉大学大学院 看護学研究科)
日  時 2月3日(土)15:10~16:10
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  若年がん患者の多くは、治療後もがんサバイバーとして長期に生きていくことになるため、がん治療後も自分らしい人生をおくることを考慮して治療選択がされる必要がある。特に、結婚・妊娠などは人生の大きなイベントであるが、がん治療によって大きな影響を受ける。
 現在その問題に対処すべく、AYA世代がん患者、妊娠可能な成人がん患者が、がん治療と妊孕性温存両方を目指す方法が検討されてきている。しかし、その取り組みは十分でなく一部の施設にとどまっている。患者の妊孕性について問題意識はもちつつも、その問題にどのように向き合っていけばよいのかを悩んでいる看護師も多い。
 若年がん患者の妊孕性温存にむけた取り組みについて欧米などの現状と日本の現状を講義いただき、がん生殖医療の現状と、看護師が取り組むべき課題について学ぶ機会とする。
教育講演4
「個別化された放射線治療
 -患者に適した治療方法の選択と治療計画-」
講  師 萬 篤憲(東京医療センター 放射線治療科)
座  長 橋口 周子(兵庫県立がんセンター がん相談支援センター)
日  時 2月3日(土)16:20~17:20
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  放射線治療は重粒子線治療、病巣部に高線量を集中させて正常組織へのダメージをより少なくした強度変調放射線治療(IMRT)、定位照射など、よりピンポイントで治療できる方法が開発され、治療の選択肢が広がっている。がん治療が進歩するなかで多くのがんに関する情報が氾濫し、最新の放射線治療を希望する患者もいる。しかし、放射線治療は、最新の治療が患者にとって最適というわけではなく、病巣部位、治療目的、患者の状態により治療方法が選択され、治療範囲や総線量が計画される。そのため、これまで多くの施設で行われてきた標準的な外照射が最適の治療として選択される場合もある。
 同じ疾患で放射線治療を受けていても、治療の方法や照射範囲、総線量が違えば有害事象も違ってくる。放射線治療をひとくくりに考えるのではなく、個別化された放射線治療の内容を理解し、患者の有害事象のアセスメント、ケアにつなげていくための視点となる考え方を講義いただく。
教育講演5
「がんについて子どもたちにどう教えるか
 -がんになっても地域で支えあって普通に暮らせるために-」
講  師 佐瀬 一洋(順天堂大学大学院 医学研究科 臨床薬理学)
座  長 内布 敦子(兵庫県立大学 大学本部)
日  時 2月4日(日)10:10~11:10
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  日本人の二人に一人ががんに罹患し、サバイバーも増加している現在、がん患者について一般市民が正しく理解することは重要である。第2期がん対策推進基本計画では、「子どもが健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識をもつよう教育することを目指し、学校での教育の在り方を含め、健康教育全体の中で『がん』教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とする」こととされた。第3期推進基本計画でも、がんに関する教育の推進が含まれる予定となっている。子どもたちにがんについて教育することは、大人にも影響を与えると考えられる。
 そこで、がん教育を実際に行っている講師に、子どもへのがん教育の意義、がん教育の現状や実際の教育について概説いただく。さらに、病院(医療者)と学校との連携のあり方や、看護師には何ができうるのかという看護への期待について語っていただき、今後の子どもたちへのがん教育についての示唆を得る。そして、子どもたちへのがん教育を通じて、地域住民が、がんやがん患者への理解を深め、がんになっても支えあえる地域として育っていくにはどのようにすればいいか考える機会としたい。
教育講演6
「多様性を尊重した倫理的意思決定支援」
講  師 足立 智孝(亀田医療大学 看護学部)
座  長 川崎 優子(兵庫県立大学 看護学部)
日  時 2月4日(日)12:50~13:50
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  人々の価値観の多様性が重んじられ、がん医療における治療選択肢が拡大する中、その人の生き方を尊重した意思決定を支援することは課題となっている。
 意思決定が困難なケースには、妊孕性を考慮した治療選択、認知機能の低下を伴う高齢者の治療選択、終末期や精神疾患を持つ患者の意思決定、がん治療による家族関係の変化が絡むケースなど、社会的問題を含む複雑な背景を持つ患者、家族は多い。複雑な背景には、多様な価値観が潜在する。医療が捉える「善いこと」は、患者と家族の「善いこと」とは必ずしも一致せず、そのため価値の対立、つまりジレンマが生じることになる。多様な価値観を持つ患者が、「患者らしい決断」を行うためには、看護師はどのようにジレンマを分析し、意思決定の過程を支援すればよいのだろう。ジレンマを紐解く倫理の視点や介入方法について講義いただく。
シンポジウム
シンポジウム1
「早い段階から取り組むアドバンス・ケア・プランニング」
シンポジスト 増島 麻里子(千葉大学大学院看護学研究科)
江口 恵子(社会医療法人博愛会 相良病院)
本家 好文(広島県地域保健対策協議会、
      広島県緩和ケア支援センター)
田中 美樹(ステーション イルカ)
座  長 田村 恵子(京都大学大学院医学研究科)
小澤 桂子(NTT東日本関東病院)
日  時 2月3日(土)10:40~12:30
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  アドバンス・ケア・プランニング(将来の意思決定能力の低下に備えて、患者やその家族、かかわる医療者等がケア全体の目標や具体的な治療・療養について話し合うプロセス)は最近注目されているテーマであり、自分らしい人生・生活をおくりたいという患者の意向を尊重するためのかかわりでもある。
 人生の最終段階だけでなく、がんの治療期から先々を考えたり、地域で生きていくことについて想定しておくことが重要と考えられるが、アドバンス・ケア・プランニングは、人生の最終段階に行われることがまだ多い現状にあると思われる。
 そこで、シンポジストの方々に、人生の最終段階より前の早い時期からのアドバンス・ケア・プランニングが質の高いエンド・オブ・ライフにとってどういう意味を持つのか、また、早い時期からアドバンス・ケア・プランニングを導入している病院や地域での取り組み内容や取り組む意義、さらに、地域で暮らす人々のアドバンス・ケア・プランニングを看護師としてどう支えるかなどについて語っていただく。そして、今後、アドバンス・ケア・プランニングに早い段階から取り組むにはどうすればよいか、ディスカッションの中から示唆を得られればと考える。
シンポジウム2
「通院治療生活を支えるための多職種連携
 -治療中から先々の経過を予測し在宅療養環境を整える-」
シンポジスト 後藤 宏顕(江戸川病院)
熊谷 靖代(野村訪問看護ステーション)
浅子 恵利(千葉県こども病院 薬剤部)
鈴木 清仁(訪問看護ステーション けやきの木)
座  長 岩崎 紀久子(淑徳大学 看護栄養学部)
早川 満利子(東京医科歯科大学医学部附属病院)
日  時 2月4日(日)9:00~11:00
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  化学療法や放射線療法の技術が発展して、外来での治療が主流となった今、患者は通院治療をしながらがんと共に生きる時代となった。「生きる」とは生活することでもあり、治療をしながらも食事や排泄、清潔、睡眠、そして就労などの日常生活をいかに普段通りおくり、その人らしい毎日を過ごせるよう支援していくかがより重要な事項となっている。通院治療をしている患者は、治療による有害事象だけでなく、痛みなどのがんによる症状のセルフマネジメント、複数の薬の管理、より良い体調を保つための健康管理や生活の工夫など、様々なことを自宅で行う必要がある。一方で、独居あるいは高齢者のみの世帯の患者の増加により、多くのセルフケアが困難な患者が通院治療を受けているという状況がある。また、治療方法の発展により選択肢が広がり、長期間治療が行われるようになっていることから、治療期と緩和ケアが中心の時期との境目がわかりにくくなっている。このような現状においては、治療中から先々の経過を予測し、早くから在宅療養環境を整える必要性が高まっており、その実現のためには、地域連携・多職種連携が必須となる。
 そこで、シンポジストには、先々の経過を予測しながら治療と生活の双方に焦点をあて、在宅における通院治療生活の支援の実際や、病院医療者と在宅医療者間との具体的な連携方法や課題についてお話しいただく。そして、日々の通院治療生活を安全に問題なく過ごしてもらうための支援について、病院と地域との連携の視点から多職種で考える機会としたい。
シンポジウム3
「がんサバイバーの就労支援:看護は何をするのか?」
シンポジスト 桜井 なおみ(一般社団法人 CSRプロジェクト、
       キャンサー・ソリューションズ株式会社)
近藤 明美(近藤社会保険労務士事務所)
大神 あゆみ(大神労働衛生コンサルタント事務所、
       一般社団法人 日本産業保健師会)
橋本 久美子(聖路加国際病院)
座  長 国府 浩子(熊本大学大学院)
花出 正美(がん研究会有明病院)
日  時 2月4日(日)12:50~14:50
会  場 第2会場(幕張メッセ 国際会議場 国際会議室)
企画意図  がん罹患者の約30%が就労世代であり、治療と仕事の両立は重要課題の1つである。治療と仕事を両立する上で、がんサバイバーは、治療・検査・経過観察通院のための時間確保、体調・症状のセルフケア、自分の病気・治療を理解するための医療者とのコミュニケーション、職場の理解・配慮を引き出すための職場の人とのコミュニケーション、またがんサバイバーであることに関連した心理的葛藤など、さまざまな課題に直面している。
 2016年にがん対策基本法が改正され、がんサバイバーの就労支援がさらに強化されることになった。しかし、がん看護において就労支援はスローガンにとどまっているのが現状であろう。一方で、看護師が就労支援としては意識していないケアが、がんサバイバーの治療と仕事との両立に寄与していることもあるのではないだろうか。
 がんサバイバー、社会保険労務士、産業保健師、看護師の立場からシンポジストを迎え、「がんサバイバーの就労支援において看護師は何をするのか?」を問い直す機会としたい。
パネルディスカッション
パネルディスカッション1
「がん患者・家族の暮らしを支え尊厳を守るための看護を問い直す1
-症状をうまく伝えられない認知症患者への関わり方と人材育成のあり方-」
パネリスト 山本 賢司(東海大学 医学部 専門診療学系精神科学)
得居 みのり(姫路聖マリア病院)
柴崎 ゆかり(カンナ訪問看護ステーション)
諏訪 さゆり(千葉大学大学院 看護学研究科)
座  長 片岡 純(愛知県立大学 看護学部)
久米 恵江(北里大学北里研究所病院)
日  時 2月3日(土)15:10~17:10
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  世界に先駆けて超高齢社会を迎えている我が国において、がん医療における看護実践現場でも、認知症患者との意思疎通が図れないことで、がんの症状や有害事象への症状マネジメントが正確に行われない、せん妄との区別が難しいことでの精神症状への対応が遅れるなど、様々な看護上の問題が生じている。
 一方、看護師の教育においては、「認知症看護」の基礎教育が開始されたのは近年のことであり、基礎教育を受けないまま患者や家族と関わっている看護師も少なくない現状がある。加えて、核家族化に伴い、看護師自身の生活体験としても認知症を患う人と関わったことがないため、認知症看護に戸惑う看護師も少なくない。
 以上のような現状を踏まえ、「症状をうまく伝えられない認知症患者へ看護師がどのように関わることで患者と家族の暮らしと尊厳をまもることができるのか」という観点で現状の課題について意見交換を行い、継続看護教育について考えていきたい。
パネルディスカッション2
「がん患者・家族の暮らしを支え尊厳を守るための看護を問い直す2
-急性期がん医療における多職種連携と人材育成のあり方-」
パネリスト 長谷川 久巳(虎の門病院)
小笠原 利枝(カイロス・アンド・カンパニー株式会社
       事業本部
       訪問看護ファミリー・ホスピス本郷台)
濱口 恵子(がん研究会有明病院)
荒尾 晴惠(大阪大学大学院 医学系研究科)
座  長 佐藤 まゆみ(千葉県立保健医療大学)
千﨑 美登子(北里大学病院)
日  時 2月4日(日)14:00~16:00
会  場 第1会場(幕張メッセ 国際会議場 コンベンションホール)
企画意図  めまぐるしく変革するがん医療情勢の中で、急性期病院における臨床の看護師は急性期医療への対応に追われ、患者の価値観や生活を見据えたセルフケア支援が十分に行えていないという現状があることが問題提起されている。そのような中、臨床においてがん患者や家族の意向を汲み取り、彼らの尊厳を守り、その人らしい生活をどのように支えることができるのか、看護の原点に戻って考えていきたい。
 本パネルにおけるディスカッションのポイントは、本学術集会趣意における問い、①昨今の多職種連携のなかで看護はどのように役割を発揮してその人らしい生活を支えるのか、②そのような実践を可能とする教育や人材育成の在り方の2点である。それぞれのパネラーの立場で、「急性期がん医療における臨床看護」について問題提起して頂き、多職種連携(interprofessional work: IPW)における看護のあり方、組織の中での人材育成及び看護教育について考えていきたい。
編集委員会主催 研修会
「採択される論文を書くためのリサーチデザイン」
講  師 狩野 太郎(群馬県立県民健康科学大学大学院)
座  長 片岡 純(編集委員会委員長、愛知県立大学看護学部)
日  時 2月4日(日)12:50~13:50
会  場 第3会場(幕張メッセ国際会議場 201)
企画意図  研究成果を活用した実践の可視化と教育への循環のためには、 高いエビデンスレベルを担保する知的財産としての論文が不可欠です。一方で、投稿したいものの、どのような視点に留意してリサーチデザインを構成し、研究を進めればよいのか悩む看護職の方もいらっしゃるかと思います。そこで、①研究題目の設定とリサーチデザインの適切性、②学術有用性、③リサーチデザインと結果のまとめ方、④論旨の一貫性、⑤リサーチデザインと倫理的配慮で留意する視点、⑥論文の種類の選定などについて理解することを主旨として、編集委員会主催の研修会を開催します。
 講師に、日本がん看護学会誌の査読をご経験された狩野太郎先生をお招きし、量的研究を例にあげながら、「臨床に役立つ」「読まれる価値、取り組む価値のある」、そして査読者の心をザワつかせないリサーチデザインについて講演をしていただきます。
 がん看護の質向上に向け、新たな知見の創出につながる論文の作成についてディスカッションし、研究への関心と意欲につながる研修会となりますよう、参加をお待ちしております。  

企画・運営:日本がん看護学会編集委員会
片岡 純、作田 裕美、大釜 徳政、大川 宣容、小松 万喜子、須釜 淳子、 高山 京子、西尾 亜理砂、水野 照美、光木 幸子、吉岡 さおり、吉田 みつ子
 
教育・研究活動委員会 エキスパートナース育成事業
「超高齢社会のがん看護~その人らしい意思決定の支援を考える~ 」
パ ネ リ ス ト 中島 和子
(静岡県立静岡がんセンター)
橋口 周子
(兵庫県立がんセンター)
入江 佳子
(筑波大学附属病院)
事例提供者 高屋敷 麻理子
(盛岡赤十字病院)
司  会 長澤 昌子
(岩手医科大学附属病院)
日  時 2月3日(土)11:00~12:30
会  場 第11会場
(ホテルニューオータニ幕張 翔の間)
企画意図  日本がん看護学会教育・研究活動委員会では、がん看護のエキスパートナースが実践につなぐための知識を獲得し、具体的なケア方法を学び患者と家族へのケア能力を高めることをねらいとして「エキスパートナース育成事業」を毎年企画しております。  
 現在、超高齢社会による2025年問題や多死社会の到来が見込まれることから、第32回・第33回学術集会におけるテーマを「超高齢社会のがん看護」とし、初年度では診断期・治療期の意思決定の支援について、事例を基にして学びを深めます。多数ご参加くださいますようご案内いたします。
ナーシング・サイエンス・カフェ チラシ
教育・研究活動委員会 がん看護専門看護師海外研修助成事業
「がん看護専門看護師海外研修を通じてAPNの実践・役割機能を改めて考える
~それぞれの立場で新たな看護にチャレンジ~」
報 告 者 伊波 華
(琉球大学医学部附属病院)
大畑 美里
(聖路加国際病院)
小澤 桂子
(NTT東日本関東病院)
日塔 裕子
(横浜医療センター)
日  時 2月4日 (日)15:10~16:00
会  場 第7会場
(幕張メッセ国際会議場103)
企画意図  日本がん看護学会は公益財団法人小林がん学術振興会より「がん看護専門看護師の継続教育に関する助成-がん看護専門看護師海外研修助成事業」の助成を得て、がん看護専門看護師海外研修助成事業を実施しています。本事業は、がん看護専門看護師を米国のがん専門病院(UCSF Medical Center、Alta Bates Summit Medical Center)に派遣し、CNS、NP等とのがん看護に関する実地研修及びワークショップを通して、がん看護APRNの役割等の情報を収集し、最新の知見に基づくがん看護について理解を深め臨床能力の質向上を目指したプログラムで構成されています。本報告会では、2017年度がん看護専門看護師海外研修参加者4名による、「研修の準備段階から研修までの実際」、「それぞれの立場で研修での経験や学びをどのように活かしていけるか」についての報告およびディスカッションを行います。研修参加者の体験に触れ、海外研修の魅力を多くの方に知っていただく機会にしたいと思います。海外のがん看護やAPNの活動に関心がある方、海外研修に興味をお持ちの方、ぜひご参加ください。
海外研修助成事業チラシ
 
ナーシング・サイエンス・カフェ
「今こそ伝えたいがん看護の力 -様々な場で活躍する看護職の姿-」
講  師 笠谷 美保
(千葉労災病院 がん看護CNS)
杉森 久美
(船橋市立医療センター がん性疼痛看護CN)
* CNS:Certified Nurse Specialist
    専門看護師
 CN :Certified Nurse 認定看護師
日  時 2月3日(土)15:10~16:10
会  場 第6会場
(幕張メッセ 国際会議場 303)
企画意図  中学生・高校生・関心がある方が対象です。
 看護師に興味がある中学生・高校生の皆様!チームの中で看護を実践している現場の看護師のお話を聞いてみませんか?
ナーシング・サイエンス・カフェ チラシ
市民公開講座
「がんになっても心穏やかに生きる知恵 こころの専門家からのメッセージ!」
講  師 小川 朝生
(国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科長、同 先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野長)
司  会 森本 悦子
(高知県立大学 看護学部、日本がん看護学会 理事)
日  時 2月4日(日)14:30~16:00
会  場 第11会場
(ホテルニューオータニ幕張 翔の間)
企画意図  厚生労働省は、最新のがん対策推進基本計画において、『がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す』ことを全体目標として掲げています。人々がその生涯において「がん」に関わるとき、どのように「がん」と付き合えば良いのか、簡単には答えが見つかりません。そこで本講座では、がんにまつわる「こころ」の第一人者である医師に、「こころ」の在りようとケアを軸にお話しいただき、市民の皆様にがんと共に生きる知恵を得ていただくことを願って企画しました。
 多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
市民公開講座 チラシ
 
国際活動委員会
「国際学会に登壇したシンポジストが語る国際学会の旬な魅力」
講  師 井沢 知子
(京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 助教/がん看護専門看護師)
江藤 美和子
(社会医療法人生長会 ベルランド総合病院緩和ケア病棟科長/がん看護専門看護師)
鈴木 美穂
(がん研究会有明病院 副看護部長)
座  長 水野 道代
(筑波大学 医学医療系 教授)
日  時 2月4日(日)9:00~10:00
会  場 第3会場
(幕張メッセ 国際会議場 201)
企画意図  がん看護の臨床に携わる人たちが、毎年、複数の国際学術集会に参加し、研究成果を発表しており、なかには、演者やシンポジストとして登壇し、看護実践の成果を世界に発信している方々もいる。
  本シンポジュウムでは、最近、国際学会で活躍した3名のシンポジストに、体験を織り交ぜながら、国際学会の魅力について語って頂く。3名との対話も含めて、国際学会を身近に感じて頂くのみでなく、だれもが経験できる国際学会での楽しみ方を探したいと考えている。
国際活動委員会チラシ
 
SIG フォーラム
「-自分の関心のある分野を見つけてみませんか-」
SIGの紹介 遠藤 久美
(日本がん看護学会SIG委員会委員長)
日  時 2月3日(土)16:20~17:50
会  場 第4会場
(幕張メッセ 国際会議場 301・304)
企画意図  SIG(特別関心活動グループ: Special Interest Group)は、「日本がん看護学会の会員が、自己の関心テーマにしたがって、志を同じくする者同士が集い、情報交換等を図って切磋琢磨し、より専門に特化した自己研鑽の場を共有すると同時に、テーマに関わるがん看護の質向上のために貢献すること」を目的として活動しております。現在SIGへの登録メンバーは約900名であり、ここ数年は微増の状況です。そこで、今回の学術集会では、志を同じくする仲間をもっと増やすことを目的に、SIGの目的の説明や、現在活動している17グループがどのような活動を行っているのか皆さんに伝える時間を企画しました。ぜひ、この時間に会場にお越しいただき、ご自身が興味関心のあるテーマについて、同じ学会員がどのような集まりを行っているのか、聞いてみてください。そして、気になるグループがありましたら、ぜひ参加してみてください。皆様の参加をお待ちしております。
国際活動委員会チラシ
技術開発委員会主催 研修会
「外来がん看護体制の充実に向けて-新たな仕組みづくり2-」
講  師 玉木 秀子
(埼玉医科大学国際医療センター)
熊谷 靖代
(野村訪問看護ステーション)
林 ゑり子
(藤沢湘南台病院)
司  会 渡邊 知映
(上智大学)
渡邉 眞理
(神奈川県立保健福祉大学)
日  時 2月3日(土)16:20~17:50
会  場 第3会場
(幕張メッセ国際会議場 201)
企画意図  日本の保健医療政策は地域医療へとシフトし、がん患者が医療を受ける中心的な場は外来へと変化している。このことについて日本がん看護学会がん看護技術開発委員会では平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けて「ハイリスク外来看護管理加算」を要望している。その実現に向けて第31回日本がん看護学会学術集会において、「外来がん看護体制の新たな仕組みづくり」について研修会を開催した。 本年度は、第3期がん対策推進基本計画が公表される年でもあり、小児期、AYA世代、壮年期、高齢期など世代を超えたがん患者の支援が求められる。今後より充実が求められる外来がん看護体制について迅速かつ質の高い外来看護体制を築いていく必要がある。そこで、本年度の研修会ではより身近な施設でどのような工夫がされているのか、具体的な事例を共有することで先を見越した外来がん看護体制のあり方について会場の皆さんと共有したい。
 本研修会内容は、外来がん看護体制の専門性と質の向上に向けて
① ハイリスクがん患者の受診時における、スクリーニングを活用したシステムと多職種連携の活かし方
② 地域包括ケアシステムを基盤としたがん外来看護と在宅連携の高度実践~外来看護の立場および在宅看護の立場より~
の2本柱で、外来看護体制の充実の必要性とその方法の事例を共有することと、さらに今後の診療報酬改定にむけた動きへつなげていくことを目的として本研修を意図している。
技術開発 チラシ