学術集会長挨拶
第32回日本がん看護学会学術集会長挨拶
このたび、第32回日本がん看護学会学術集会を会員、関係者の皆様のご支援・ご協力を賜り千葉県で開催できますことを、心より感謝申し上げます。
今回の学術集会のテーマは、
がんは国民病とも言われるように2人に1人が罹患する時代になりました。しかし、がんに罹患しても患者さんや家族の生活が止まるわけではなく、治療を継続しながら社会に復帰している人や緩和ケアを受けながら在宅等で療養している人たちが、多種多様な不安や悩みを抱えながら生活しています。患者さんにとって、がんの治療方法や療養場所の選択肢が増えたことで多くの恩恵を得る事ができましたが、その一方で、複数の選択肢に戸惑い、苦悩する患者さんがいることも事実ではないでしょうか。また、人々の価値観が多様化する今日、患者さんの意向と医療者の見解に相違が生じ、患者さんの思いが損なわれるという現状もあります。
がん医療の進歩にともない、看護もそれに対応するための変化が求められています。平均在院日数の短縮化により、外来で侵襲の高い治療が行われるようになりました。さらには、終末期にあっても在宅で療養する患者さんも増えています。患者さんとその家族は、がんとともに生活するためのセルフケア能力が今まで以上に求められるようになりました。しかし、臨床の看護は急性期医療への対応に追われ、セルフケア支援が十分に行えていないという現状も否めません。
どんな時代においてもがん看護には患者さんと家族が、がんを抱えても自分らしく生きることができるように、彼らの考えや価値観を尊重しくらしを支えるという役割があります。
そこで、今回の学術集会では変革する医療情勢のなか、がん患者さんや家族の意向を汲み取り、彼らの尊厳をまもりその人らしい生活をどのように支えることができるのかという、看護の原点を今一度、問い直したいと思います。また、昨今の多職種連携のなかで、その人らしい生活を支えるために看護はどのように役割を発揮するのか。看護の実践を可能とする教育や人材育成の在り方、また、それらを支えるために研究はどのようにあればよいのか。皆様と一緒に探求していきたいと思います。
今回の学術集会のテーマは、
変革の時代に求められるがん看護
くらしを支え尊厳をまもるための看護を問い直す
といたしました。くらしを支え尊厳をまもるための看護を問い直す
がんは国民病とも言われるように2人に1人が罹患する時代になりました。しかし、がんに罹患しても患者さんや家族の生活が止まるわけではなく、治療を継続しながら社会に復帰している人や緩和ケアを受けながら在宅等で療養している人たちが、多種多様な不安や悩みを抱えながら生活しています。患者さんにとって、がんの治療方法や療養場所の選択肢が増えたことで多くの恩恵を得る事ができましたが、その一方で、複数の選択肢に戸惑い、苦悩する患者さんがいることも事実ではないでしょうか。また、人々の価値観が多様化する今日、患者さんの意向と医療者の見解に相違が生じ、患者さんの思いが損なわれるという現状もあります。
がん医療の進歩にともない、看護もそれに対応するための変化が求められています。平均在院日数の短縮化により、外来で侵襲の高い治療が行われるようになりました。さらには、終末期にあっても在宅で療養する患者さんも増えています。患者さんとその家族は、がんとともに生活するためのセルフケア能力が今まで以上に求められるようになりました。しかし、臨床の看護は急性期医療への対応に追われ、セルフケア支援が十分に行えていないという現状も否めません。
どんな時代においてもがん看護には患者さんと家族が、がんを抱えても自分らしく生きることができるように、彼らの考えや価値観を尊重しくらしを支えるという役割があります。
そこで、今回の学術集会では変革する医療情勢のなか、がん患者さんや家族の意向を汲み取り、彼らの尊厳をまもりその人らしい生活をどのように支えることができるのかという、看護の原点を今一度、問い直したいと思います。また、昨今の多職種連携のなかで、その人らしい生活を支えるために看護はどのように役割を発揮するのか。看護の実践を可能とする教育や人材育成の在り方、また、それらを支えるために研究はどのようにあればよいのか。皆様と一緒に探求していきたいと思います。
第32回日本がん看護学会学術集会
学術集会長 茅野 香子
千葉県がんセンター 看護局長